• テキストサイズ

夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第6章 アニマートに色づく日常【鉄骨娘/始まり】


「っていうかさ、詞織も呪術師だろ。普段、呪霊と戦ってるなら、あれくらいの不良とか怖くないんじゃねぇの?」

 虎杖の言葉に、詞織は拗ねたように唇を尖らせる。可愛い。

「……呪霊は怖くない。呪術でいくらでも攻撃できるから。人間はダメ。呪術で攻撃できない。メグほど体術も得意じゃないし」

「そういうもん?」

「そーゆーもん。もういいでしょ」

 話を打ち切るように、詞織は一人でコンビニに入って行く。

 すると、虎杖が「伏黒」と名前を呼んできた。
 振り返ると、やや神妙な表情でこちらを見ている。

「なんだ?」

「伏黒と詞織って……もしかして、つき合ってんの?」

「ゴホッ! は、はぁ⁉︎」

 突拍子もない台詞に思わず咽せると、虎杖がビクッと肩を震わせた。

「おい、大丈夫か?」

「あぁ……てか、なんでそんな話になってんだ?」

「え? や、さっきさぁ、アイツらが『彼氏か?』って聞いたとき、伏黒は否定しなかったじゃん? だから、つき合ってんのかなぁって」

 そういえば、あの不良たちのどっちかがそんなことを言っていたような……?
 頭に血が昇ってて、あまり深く考えてなかった。

「別に。アイツとはただの幼なじみ。つき合ってるわけじゃない。答えるのもバカらしかっただけだ」

「ふぅん」

「なんだよ」

 意味ありげに頷く虎杖に、伏黒は渋い顔をして聞くが、彼は「別に〜」とはぐらした。

 いや。本当になんなの?

「メグ、ユージ。なんにも買わないの?」

 待ちくたびれた詞織が、コンビニの自動ドアを開けて呼びかけてくる。

「おぅ! 行く行く!」

 コンビニに駆け込む虎杖に、伏黒はグルグルと混乱する頭を振って後を追った。

* * *

/ 381ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp