• テキストサイズ

夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第48章 混乱極まるラプソディ【渋谷事変】


「ツギハギ顔の呪霊が来てるだろ? どこにいる?」

 自分でも驚くほど低い声が出る。

『ツギ……ハギ……? ツギハギ?』

「顔に縫い目のあるヤツのことだ」

 顔を指で示して見せると『馬鹿にスルな!』と騒ぎ出した。

『真人は、下……俺はココで【帳】ヲ守ってるンだ』

「マヒト……?」

 そういえば順平も、あのツギハギ顔を『マヒト』と呼んでいたような気がする。いや、今は名前なんてどうでもいい。

 前に五条から聞いたことがある。結界術は難しいらしい。五条はできるらしいが、強いからできるという単純な話ではないとのことだ。

 それを踏まえた上で、目の前の呪霊はどうだ。言葉が分かるのだから、それなりの等級なのだろう。

 だが、「呪術師」も上手く言えない程度の知能の呪霊に、結界術を使うだけの技術があるのか。それも、おそらく意図的に二枚も下ろしている。

 なんだかなぁ、と内心で首を傾げていると、バッタ呪霊の後ろに呪符を巻きつけた杭のようなものを見つけた。

 そういえば先ほど、この呪霊は「下ろす」でも「張る」でもなく、「守る」と言っていた。そう考えると、あの杭はかなり怪しい。

 とりあえず壊すか。

 そんなことを考えていると、バッタ呪霊が唸り始めた。

『真人の“じゅじゅちゅ”はヨくない』

 そこで言葉を区切り、呪霊は『知ってるカ?』と目をギョロつかせながらこちらを見る。
/ 857ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp