• テキストサイズ

夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第47章 長き決戦のオーバーチュア【渋谷事変】


「おい、詞織……」

 呼びかけようとして、猪野が「伏黒、詞織」と得意げに呼びかけてきた。

「【帳】……結界の効力の足し引きに使える条件っていうのはな、基本『呪力にまつわるモノ』だけなんだ」

「ざっくり言うと、人間、呪霊、呪物でしょ。知ってる」

「電波妨害とかは【帳】が下りたことによる副次効果ですよね。知ってます」

【帳】の結界術式そのものには電波の要否は組み込まれていない。

 詞織と伏黒に台詞を取られ、猪野の得意げな笑みから表情が消え、脳面のようになってしまった。

「猪野くん、二人は優秀です。先輩風はほどほどに」

「どういう意味っスか、七海サン!」

 猪野 琢真――七海を慕うニット帽を被った二級術師。

 気さくで陽気な性格のようだが、七海との話を聞く限り、すでに準一級相当の実力を持ちながら、七海からの推薦にこだわり、今の等級に留まっていたようだ。

 そしてこの度、めでたく七海からの推薦を勝ち取ることができたらしい。

「さて、一区切りついたところで、詞織さん……私に何か言いたいことでも?」

 七海も詞織の視線に気づいていたのか。詞織も特に悪びれた様子もなく、大きな夜色の瞳を七海に据える。
/ 859ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp