第46章 夢は終わってダ・カーポ【これからの話/宵祭り】
「チッ、また鳥か! 芸のない!」
それに、飛ばしたはずの左腕が再生している……否、魂の形をこねくり回して再生したように見せかけているだけ。これ見よがしにしているのがいい証拠だ。
大丈夫。対策はしてきた。
確実に真人を追い詰めることができている。
――祓える‼
「チャージ五年――【追尾弾(ビジョン)~五重奏(ヴィオラ)~】!」
五つの呪力の弾丸が真人を追いかけるも、真人にはことごとく避けられた。
きっと、魂ごと破壊されて驚いているのだろう。そして、考えているはずだ。
その死角から拳を叩き込む。
――いける!
再びレバーを握った。『術式装填』とアナウンスが響く。
――勝てる!
傀儡越しじゃない、自分自身で。
本来の姿で。
会うんだ――皆に‼
『――【領域展開 自閉円頓裹(じへいえんどんか)】』
いくつも腕を組んだ暗い空間に引き込まれる。
『はい、お終い』
勝利を確信し、真人が微笑を浮かべた。
ドクン、ドクンッと身体が不自然に脈を打つ。冷や汗が流れる。
違う! まだだ‼
会うんだ! 皆に‼
ガクンッとメカ丸の巨体が膝をつき、そのまま倒れ伏す。