第46章 夢は終わってダ・カーポ【これからの話/宵祭り】
「チャージ一年――焼き払え、メカ丸! 【大祓砲(ウルトラキャノン)】‼」
真人のいた場所が大きく消し飛ぶ。だが、小さな影が走り回っている。まだ倒せていない。
メカ丸の攻撃では真人の魂まで傷つけられない。奴も今の攻撃で確信したはずだ。
メカ丸の巨腕が真人を叩き潰そうとするが、魚へと姿を変え、水の中へと逃れる。
「チャージ二年――【二重大祓砲(ミラクルキャノン)】‼」
水へ向けて攻撃を放てば、そこから真人が飛び出してきた。
それでも、真人は攻めの姿勢を崩さない。こちらの攻撃など意に介していないのだろう。
――そこにコレをぶち込む!
真人が頭部を狙って打撃を放ってくる。操縦席を攻撃して自分を外へ引きずり出すつもりなのだろう。このまま食らっていたら装甲を破られる。
チャンスは――四回‼
『――術式装填』
アナウンスを聞きながら、与はレバーに手をかけ、両手を翼に変えて飛び回る真人に狙いを定めた。
ピピピピピ、ピー……と座標が合い、ロックオンを確認する。
「撃て! メカ丸‼」
メカ丸の開いた指先から筒のようなものが発射され、真人の左翼の付け根に命中した。
『意味ないって。今まで何を見てきたの?』
だが、真人の顔が驚愕に歪んだ。放たれた筒が呪力を発し、真人の左翼を吹き飛ばしたのだ。
『……アレ?』
畳みかけるようにメカ丸の巨大な手が真人を叩き落とす。
もっとだ! もっと畳みかけろ‼
拳を連続で放つが、そのわずかな隙を縫ってまた鳥の姿へと形を変えて逃げられた。