第46章 夢は終わってダ・カーポ【これからの話/宵祭り】
「今回は駄目だ。“縛り”を破ったとき、私たちにいつどんな災いが降りかかるか分からない」
『はいはい。感謝してよね、下衆以下』
面倒くさそうにため息を吐きながら、真人は与に触れた。
――【無為転変】
光から皮膚を守るために全身を覆っていた包帯が弾け、失われていた右腕と膝から下の足が生まれる。
生まれて初めての感覚。両手が動かせる。足も、力が入る。
これが――……健康な肉体。
『可愛くないなぁ。もっとハシャげよ』
「……それは、事が済んだ後だろう」
『それもそうだね。じゃあ、始めようか』
構える真人に、与も何体もの傀儡を操作し、攻撃を仕掛けた。
「手伝う?」
『やめて。俺の玩具だよ』
ガチャガチャと襲いくる傀儡を、太く巨大に作り変えて薙ぎ払ってくる。その間に与はその場を離れた。
そして、用意していた機体に乗り込み、真人の立つ床を崩しながら、巨大なダムのような場所にその巨体が姿を現す。
素早く飛び跳ねて躱した真人が、こちらを見ながら笑った。
『ははっ! いいんじゃない⁉』
真人の数倍もある巨大ロボ――究極(アルティメット)メカ丸 絶対形態(モード・アブソリュート)“装甲傀儡 究極(アルティメット)メカ丸 試作0号”
『こんなものをコソコソ作ってるとはね。引きこもりも伊達じゃないってワケだ』
好きに言えばいい。
真人の術式は相手に素手で直接 触れる必要がある。その点、このメカ丸の操縦席では触れることはできない。