第46章 夢は終わってダ・カーポ【これからの話/宵祭り】
雨が降りしきる京都――指定された立体駐車場に自動車を停め、虎杖たち五人は自動車を降りる。
そこでは、すでに京都校の教師・庵 歌姫が「こっちよ」と手を上げて誘導してくれた。
「五条から内通者の話は聞いているわね?」
「はい」
揃って頷きながら、虎杖は五条の話を反芻する。
呪力制御の特訓の最中――五条と火山のような未登録の特級呪霊の戦いを見た。何でも、突如 襲撃を受けたのだという。
ほとんど五条の一方的な戦いだったが……それでも、間違いなく強かった。
さらに、星也と戦った特級呪霊――真人。人間の命を弄び、順平を殺そうとした呪霊。
そして、交流会では五条 悟のみを拒絶する【帳】が下ろされ、植物を操る特級呪霊が襲撃してきた。
だが、その呪霊の襲撃は陽動で、裏では高専の忌庫から特級呪物が盗まれていたらしい。
特級呪物【両面宿儺】――高専保有分六本。同じく特級呪物【呪胎九相図(じゅたいくそうず)】――一番から三番。
このうちの【呪胎九相図(じゅたいくそうず)】――二番と三番は、虎杖と釘崎、詞織と順平が祓ったものだ。
どちらにしても、あまりにも特級呪霊がゴロゴロと出現する。高専側に呪詛師、あるいは呪霊と内通している者がいるとしか思えない。そう、五条は語った。
こうして、五条は東京校を、歌姫が京都校を調査していたらしい。
「たぶん、呪詛師と通じているのは二人以上。一人は学長以上の上層部。こっちは私じゃどうしようもない」
悔しそうに歌姫が唇を引き結び、再び開いた。