第46章 夢は終わってダ・カーポ【これからの話/宵祭り】
「一級って、東堂と同じ階級だよな?」
「ありえない」
「どう考えたっておかしいでしょ」
「話が急すぎるわよ」
喜ぶどころか、突然 降って湧いたような話に、順平以外の全員が警戒した表情をした。
「だから、何度も言わせないでよ。悠仁は交流会で葵と一緒に特級を追い詰め、八十八橋で恵は単独で、悠仁や詞織たちも協力して計三体の特級を撃破。そりゃ、評価もされるでしょ。言ったはずだよ。有望な人材を燻らせておく余裕はないんだって」
「一級推薦ってことは、推薦者がいるわよね。誰よ?」
釘崎が尋ねる。
そうだ。五条は受け持ちだから推薦者になれないと言っていた。
「京都校三年の葵と、神ノ原一門の当主・星也。この二人だよ」
え、と伏黒と詞織が揃って声を上げる。
「……兄さま……」
「星也さんが……」
目に見えて嬉しそうにする二人。尊敬している人からの推薦か。そりゃあ、感動も一入(ひとしお)だろう。
「東堂と星也さんか! えー、めっちゃ嬉しい!」
「あたし、どっちともほぼ関わってないんだけど」
虎杖のテンションが上がる。釘崎は小さく息を吐くが、まんざらでもなさそうだ。
「一級になれるかは君たち次第。審査で一級相当の危険な任務についてもらうことになるけど、君たちなら大丈夫だって信じてるよ」
グッと親指を立てる五条に、虎杖が「おう!」と気合を返す。
「期待に応えるために、いっちょやってやんよ!」
「昇級のチャンス、逃すわけにはいかないわね」
「星也さんの顔に泥塗るわけにはいかねぇしな」
「ん、頑張る」
各々 気合いの入り方は違うが、思うところは同じだろう。
「はい。では引き続き、今度は真面目な話をしまーす!」
パンパンッと五条が手を鳴らして頭を切り替えさせる。
「君たちに任務だよ。今すぐ京都に行ってくれ」
「「「「「京都?」」」」」
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