第46章 夢は終わってダ・カーポ【これからの話/宵祭り】
それに、今年の一年は豊作だ。
高い身体能力と戦闘センスを持つ、千年生まれなかった逸材【宿儺の器】――虎杖 悠仁。
御三家の一角・禪院家の血を引く天才――伏黒 恵。
伏黒と同じく天才的な呪術センスを持つ神ノ原一門の特級被呪者――神ノ原 詞織。
勝ち気な性格だが忍耐力や判断力のある【芻霊呪法】の使い手――釘崎 野薔薇。
呪術師としてはまだ未熟だが、早くも【黒閃】を経験した式神使い――吉野順平。
二年にも、乙骨以外にも見どころのある術師がいる。
呪具使いの禪院 真希、【突然変異呪骸】パンダ、呪言師の末裔である狗巻 棘。
さらに、三年に在籍している秤 金次は自分に並ぶ術師となれる素質を持つ。
だが、まだだ。まだ足りない。
彼らにはもっと……もっともっと 強くなってもらわないと。
可愛い生徒たちの呼びかけに思わず笑んで席を立つと、すかさず釘崎が椅子に座る。そこへ虎杖と順平が「次は自分が」と騒いだ。
「詞織は?」
「キョーミない」
淡々と返す詞織に、釘崎が「え〜」と椅子をぐるぐる回す。
「釘崎、早く変われよ」
「僕も僕も!」
「オマエら、呼び出されたこと忘れてないか?」
ぎゃあぎゃあと騒ぐ虎杖たちに、伏黒がツッコミを入れた。
そんな彼らの心地よいバカ騒ぎに、五条は思わず笑みを浮かべる。
「何 笑ってんですか?」
伏黒の問いに、五条は「別に」と弾ませた声を出した。
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