第45章 君へ捧げるレクイエム【呪術廻戦0】
「憂太……? 憂太! 憂太ッ‼」
倒れた乙骨に駆け寄り、呼吸を確認する。安定しているとは言い難いが、命に別条はない。気を失っているだけだ。
「夏油さん……」
乙骨と対峙していたはずの夏油の姿はない。まさか、骨すら残らず消し飛んだ……?
白紙の札に血で夏油の名前を書き、呪力を振り絞る。
「【闇に失せし者、月に隠れし者、星に紛れし者。この名を縁(よすが)とし、我に汝の行き先を示せ。急々如律令】」
札が反応している……やはり 逃げたのか。
星也はスマートフォンを取り出し、電話をかける。
「……もしもし、五条先生。すみません、逃げられました」
* * *