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夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第44章 決戦のアッチェーソ【呪術廻戦0】


「アイツらだけで大丈夫か? 相手は夏油だぞ」

「大丈夫。星也にも向かわせる。それまで繋いでくれれば」

「おいおい。星也は京都だろ」

「アイツならすぐ来れる」

 すると、日下部はジッとこちらを見てきた。

「前から気になってたんだが……オマエ、星也のことどう思ってんの?」

「え? ドラえ●ん」

 少々 無茶を言ってもだいたいやってくれるし。

「それ言ったら怒られるぞ」

 呆れ顔をする日下部を置き、五条は狗巻とパンダを呼びながら近づく。

「どうし……」

「質問禁止。今から二人を呪術高専に“送る”」

 すれ違いざまに二人の首根っこを掴み、強引に少し広い場所に引っ張った。

「はぁ⁉︎」

「傑は高専にいる。絶対、たぶん、間違いない」

「どっちだよ!」とツッコむパンダを無視し、五条は二人を囲むように円状に呪文を書き連ねていく。

「勘が当たれば、最悪 憂太と真希の二人が死ぬ!」

 パンッと手を組み合わせて印を組み、二人を見た。

「できるだけ早めに星也を送り込む。僕もあの異人を片づけたらすぐに行くから。二人を守れ。悪いが“死守”だ‼︎」

「応!」

「しゃけ!」

 五条の指示に互いに顔を見合わせ、狗巻とパンダが頷く。術が完成し、バシュッと音を立てて二人が消えた。

 それを見たのか、ジリジリと待機を続けていた呪霊が蠢き出す。こちらの動きに気づいたようだ。

 ゴォォォッと呪霊が咆哮を上げる。

 計画がバレたことに焦ったのか。日没より早めに、戦闘の火蓋が切って落とされた。

「アンタノ相手ハ俺ダヨ、特級」
 ――呪詛師 ミゲル・オドゥオール


 ジャラジャラと鎖がこすれる音を立てながら、異人の男が五条の前に立つ。

「ドウヤラ気ヅイタヨウダネ! ソウ、俺ノ仕事ハ アンタノ足止メサ! ノラリクラリ、夏油ノ仕事ガ終ワルマデ遊ビマショ」

「悪いけど、今 忙しいんだ」

 包帯をズラして左目の【六眼】を露わにし、五条は異人の呪詛師――ミゲルとの戦いに臨んだ。

* * *

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