• テキストサイズ

夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第44章 決戦のアッチェーソ【呪術廻戦0】


「あたしは性格悪ぃかんな。大物術師として出戻って、家の連中に吠え面かかせてやるんだ」

 そう言って、彼女は得意げに口角を上げてニッと歯を見せた。

「そんで、内から禪院家をブッ潰してやる……ンだよ?」

 俯いて顔を覆う乙骨に、真希が怪訝な表情をする。

「いや……真希さんらしいと思って」

 つい笑ってしまった。

 すごいな、彼女は。

 どんな苦境の中でも、目標を見失うことなく戦いの渦中へと身を投じることができる。己の武器を磨き、誰かを守るために戦うことができる。

「僕、真希さんみたいになりたい」

 強く、まっすぐ生きたい。ブレることなく、揺らぐことなく進んでいきたい。

「僕に手伝えることがあったら何でも言ってよ。禪院家 ぶっ壊そー! なんて」

「バーカ。一人でやるから意味があんだよ」

 おどけたように笑うと、真希が顰めっ面をした。

「部屋戻るわ」

 教室を出て行く真希に「またね」と声をかける。

 また、強くなりたい理由ができた。

 皆に置いていかれないように。

 何かあったとき、皆の力になれるように。

 自分のためだけじゃない。

 もっと、もっと強くなりたい。

 指輪を見つめ、乙骨はギュッと握りしめた。

* * *

/ 859ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp