第43章 それはとんでもないトロイメライ【呪術廻戦0】
――「非術師を見下す君、それを否定する君。どちらを本音にするのかは、君がこれから選択するんだよ」
そして……決めた。
――猿は嫌い。
それが夏油の選んだ本音。
こうして、夏油は高専と――五条と決別した。
本当は星也も連れて行きたかったが、拒絶されてしまった。
星也の力が有用だという理由はもちろんあるが、それ以上に、あの優しい心が猿によって壊されるのが我慢ならなかった。
いや、いい。こちらにもすでに"家族"がいる。
村一つを壊滅させたときについて来てくれた双子の少女。
星也はまた別の機会に誘おう。
そのときは星良も一緒に。
その後、夏油はすぐにある宗教団体を乗っ取った。
解体されたはずの【盤星教】が別の名前で活動している組織だ。そこで、金と【呪い】を集める。
各支部長、代表役員、会長、太客を集めて演説をすれば、意に従わない者が続出した。
仕方がないので、見せしめに一人殺す。
青ざめた猿たちの顔は見ものだった。
こうして、表面上は穏やかに、裏では恐怖で従わせる。
仲間を集め、機会を窺っているうちに、気がつけば十年以上の歳月が経っていた――……。
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