第42章 鮮明なリバーブ【呪術廻戦0】
「分かってる……分かっています……」
「もしかして、津美紀に告白でもされた?」
拳を額に当てて俯く星也の肩に五条が触れた。
「どうして、それを……」
「津美紀の気持ちは見てたら分かるよ。君も知っていただろう?」
分かっていた。分かっていたから、できるだけ思わせぶりな態度は避けた。きっと、憧れと恋愛感情を穿き違えているだけ。
自分では津美紀を幸せにはできない。
心優しい彼女には、幸せになってほしい。
だって、彼女もまた星也にとって家族だから。
「……五条先生……前に言いましたよね。『愛ほど歪んだ【呪い】はない』と」
「津美紀の愛に呪われたって?」
「違います」
津美紀は誰かを呪うより、大切な人のことを考えていたいと言うような、心優しい子だ。
「呪ったのは僕の方ですよ。勝手に津美紀の言葉を【呪い】にして……」
自分で自分を呪ってしまったんだ……。
* * *