第42章 鮮明なリバーブ【呪術廻戦0】
「ゴミをゴミ置き場に……ふふ! 不良を横断幕に吊るしちゃった事件と並んで、トップクラスに入る問題行動ね」
星良が楽しそうに笑う。確かに、これまでも色々と問題を起こしてきたし、何度か学校の呼び出しに応じたこともある。
「星良さん、笑い事じゃないです。恵ったら、最近 私の言うこと全然 聞いてくれないんですから」
「恵、お姉ちゃんの言うことはちゃんと聞かなきゃ。星也だってあたしの言うこと聞くわよ?」
「別に」
伏黒がそっぽを向く。
これは聞く気がない。反抗期かな?
「メグのせいじゃない。わたしが……」
「詞織のせいでもないだろ。俺が勝手にやったことで、アイツらはそうされるだけのことをした」
全く、仕方がないな。僕の“弟”は。
「恵。君が正しいと思ったなら、僕は何も言わないよ。ただ、力の使い方はしっかりと考えて。君の行動が人の目にどう映って、君を大切に思っている人がどう感じるのか」
「…………」
伏黒の手が止まり、視線が詞織に向く。
不器用だな、本当に。
「もう、星也さん! ちゃんと言ってください! すぐに恵を甘やかすんだから」
別に甘やかしているつもりはないのだが。
大切なものの守り方は人それぞれ。伏黒は少し乱暴だが、それが彼のやり方なのだろう。
「あなたたち、そうやってると夫婦みたいね」
ニヤニヤと星良の放った一言に、津美紀がカッと顔を赤くする。
「なっ⁉ 星良さん! そんなこと……っ‼」
「へぇ~?」
また星良が津美紀をからかって……こういうときって、どういう反応をしたらいいんだ。
「姉さん、津美紀が困ってる」
「えぇ~?」
そんなやり取りをしていると、伏黒が詞織を見る。