• テキストサイズ

夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第42章 鮮明なリバーブ【呪術廻戦0】


「ごめんな、詞織。アイツらのことはどうでもいいけど、オマエが気に病んでるのは、ちょっと悪いと思ってる」

「メグ……わたしもごめんね。いつもわたしのせいで、メグが悪いみたいに言われて……」

「気にしてない」

 これだけ甘い雰囲気になれるのに、まだつき合ってないのか。
 さっさとつき合ってしまえばいいのに。

 不器用で押し切れない伏黒と、恋愛に疎い詞織。
 相性がいいのか悪いのか。

「私より、星良さんはどうなんですか? 好きな人。七海さん、でしたっけ?」

「あんまり連絡くれないのよねぇ。たまに高専で会ったときはチャンスだから、絶対逃さないようにしてるわ。この前は灰原さんが気を利かせて二人にしてくれたけど、反応がフツーっていうか……脈ナシなのかなぁ。初めて会ってから十年は経ってるし、考えてくれるって約束なんだけど」

 姉は初めて会った日から、十年以上も七海に片想い中だ。

 いや、七海なら大丈夫だ。
 初対面のときは自分もまだ子どもだったが、今はそれなりに世の中のことを分かっている。

 五条が好きだというよりずっといいではないか。あの人は強いことと顔以外の取り柄がないが、七海は強い上に顔も良くて大人な紳士だ。

「…………」

 幸せになってくれればいい。星良も詞織も。伏黒も津美紀も。

 罪深いこの身の分まで。

「四人とも。カレーが冷めるよ」

 声をかけると、四人が「はーい」と食事に戻る。

 楽しくて、罪深いくらいに幸せな日々が、これからも続けばいい――……。





 そう、思っていた……。





 ・

 ・

 ・

/ 859ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp