第41章 青き春はドレンテにひび割れて【玉折】
「入学おめでとう。星也、星良」
――呪術高専一年 担任 特級呪術師 五条 悟
月日は流れ、星也と星良が呪術高専の一年生として入学してきた。
「自宅通学は話をつけといたよ。その分 しっかり働いてもらうからね」
「ありがとうごさいます、五条先生」
――呪術高専一年 準一級呪術師 神ノ原 星也
「これからよろしくお願いしますね」
――呪術高専一年 二級呪術師 神ノ原 星良
頭を下げる星也の隣で、星良はにっこりと笑顔を見せる。
「そういえば、さっき会った先輩たちと制服のデザインが少し違うみたいなんですけど。先輩たちはスカートなのに、あたしはキュロットだし、星也も学ランっていうよりコートみたいな上着だし」
「制服は、希望があれば色々いじってもらえるんだ」
「そんな希望を出した覚えはないんですが」
「僕が勝手にカスタム頼んだもん」
何をやってくれているんだ。一人称や喋り方を変えたところで、勝手なところは変わらないな。
「あぁ、星也。そういえば、この前、準一級に昇級したんだったね。ダブルでめでたいじゃん」
「どうも」
「星良みたいに二級で入学する天才はたまーにいるけど、準一級で入学するバケモノじみた術師は早々 お目にかかれないよ。やっぱり、僕の見立てに間違いはなかったみたいだね」
五条も一級で入学したのだから、さらに上のバケモノだろ。
「そうそう。五条先生ったら、この前 詞織と恵に無茶な任務をふったでしょ。二人とも傷だらけで帰って来てビックリしましたよ」
「でも、しっかり任務はこなせたでしょ。怪我は星良が?」
「まぁ……治しましたけど」
この言い方……星良が家にいることを分かっていて任務をふったのか。
だが、傷が治ればいいというわけでもないだろう。津美紀が気の毒なくらい狼狽えていたのだが。