• テキストサイズ

夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第41章 青き春はドレンテにひび割れて【玉折】



『――【神ノ原 詩音は神ノ原 星也にこの力を捧げます】』


 ブワッと立ち昇る呪力が星也に呑み込まれていく。【陰陽術式】による【力の誓約】か。呪力を持って交わした誓約は、受けた側が解かない限り続く。

 さらに、星也は詩音の額に触れ、反対の手で印を結んだ。


「――【内なる力を閉ざし、この言葉を以て封を為せ。急々如律令】」


 キィンッと詩音の額に印が刻まれ、静かに消える。同時に糸の切れた人形のように項垂れた。

「随分とギチギチに縛ったな。この呪力量じゃ、ギリ特級に届かないぞ」

「いいんですよ、これで。あまり強すぎては目に留まる」

 まぁ、そうだろうな。特級被呪者というだけでも保守派はいい顔をしない。

 力の枷を二重にしたのは、詞織が詩音の“縛り”を解いた際の被害が大きくなり過ぎないように。

「詞織を守るための詩音なんじゃねぇの?」

「違うとはいいませんが、それは詞織が強くなればいい」

「なるほどね」

 詞織の縄を解き、星也が優しい手つきで頭を撫でる。

「星也。俺……いや、僕さ、教師になろうと思うんだけど」

「は? 教師?」

 珍しく目を丸くする星也に、五条はククッと肩を震わせて笑う。
/ 857ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp