第41章 青き春はドレンテにひび割れて【玉折】
「分かった。やってやる」
「“縛り”にしてもらえますか」
チッと舌打ちをして、五条は星也に“縛り”をもって約束を交わした。
「夏油さんを式に追わせています。ついて来てください」
最初から分かってたのかよ。
星也について行くと、程なくして【六眼】が夏油の呪力を捉える。夏油もこちらに気づき、足を止めた。
「――説明しろ、傑」
自分の声とは思えないほど低い声が出る。それに夏油の視線が、五条の後ろにいた星也を見つけた。
「星也君か。本当に、君はすごいね。悟に頼まれたのかな?」
「ンなことは、どうでもいいんだよ‼︎」
怒鳴りつけると、仕方がないなとでも言うように、夏油は肩を竦める。
「硝子から聞いただろ? それ以上でも以下でもないさ」
「だから、術師以外は殺すってか⁉︎ 親も⁉︎」
「親だけ特別というわけにはいかないだろ。それに、もう私の家族はあの人たちだけじゃない」
そんな話を聞いているわけではない。
「意味ない殺しはしねぇんじゃなかったのかよ⁉︎」
「意味はある。意義もね。大義ですらある」
「ねぇよ!」
どれだけ言葉を尽くしても動かない夏油に焦りが生まれてくる。何がここまで夏油を変えたのか分からなかった。