第37章 ブリランテに照りつける太陽【壊玉】
「星也……ありがとう……」
理子が嬉しそうに微笑む。
きっと、自分にできるのはこれくらいだ。彼女が今を楽しめるのなら、いくらでもつき合――……。
「……何ですか?」
後ろから視線を感じて振り返ると、五条と夏油、黒井が物言いたげな目でこちらを見ていた。
「星也様……子どもとはいえ恐ろしいですね」
「これは将来が楽しみだな」
「そうか? シスコン拗らせて逆にモテねぇかもしれねぇぞ」
「黙ってもらえます?」
その後もボートに乗ったり、グルメに興じたり、観光地を巡ったり……水族館のジンベエザメは、かなり見ごたえがあった。
目を大きくして感動する理子に、星也の口元は小さく弧を描く。
翌日の時間ギリギリまで予定を詰め込めるだけ詰め込み――……一同は名残惜しさを感じながらも、沖縄を後にした。
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