第37章 ブリランテに照りつける太陽【壊玉】
【護衛三日目(同化当日)――都立呪術高専 筵山(むしろやま)麓】
十五時――天内 理子 懸賞金取り下げから四時間
「皆、お疲れさま。高専の結界内だ」
夏油の言葉に、星也は今までに何度も見た何重にも並ぶ鳥居を見上げた。
「何だか、激動の三日間でしたね」
姉の言葉に、星也も内心で何度も頷く。姉と離れていた一日半、本当に長かった。
姉の恋愛にとやかく言うつもりはないし、将来的には姉離れをしなければならないのも分かっているが、こんなに早くなくてもいいだろう。
「これで一安心じゃな」
ですね、と黒井が寂し気に頷く。
「悟、本当にお疲れ」
夏油の労いに、五条が術式を解く気配を感じた。
「二度とごめんだ。ガキのお守りは」
深い息と共に吐かれた言葉に、理子が「お?」と頬を引き攣らせる。
そこへ、トスッと唐突に五条の胸元から刃が飛び出た。一拍遅れて、彼の背中にピタリとくっついている黒髪の男が貫いたのだと理解する。
なんで……ここは高専の結界の内側。入れるはずがない!
「どっかで会ったか?」
「気にすんな。俺も苦手だ。男の名前を覚えんのは」
冷や汗を流して振り返る五条に、黒髪の男――伏黒 甚爾は澄ました顔をしていた。