第37章 ブリランテに照りつける太陽【壊玉】
――「結局 テメェにとって天内の同化は、どこまでも他人事ってわけだよ」
そうだ。全て五条の言う通りだ。
理子を助けたいなんてただの偽善。
自分は常識に囚われてばかりで、理子のために何もできていない。
「もしも 理子さまが同化を拒んだら……僕も手伝います」
「いいのかい? 反逆者になってしまうよ?」
「構いません」
他人事になんかさせない。
自分に足りないのは力だけじゃない。
人と向き合う覚悟だ。
「腹を括ります。これが偽善的な感情からくるものでも、僕が理子さまを助けたいと思っているのは事実です。もしも同化を拒むのなら、僕は彼女を助ける。大丈夫なんでしょ? だって、二人は最強なんですから」
夏油を見上げると、彼は少し得意げな表情で「そうだね」と頷く。
「いい顔をしている。悟の影響かな? もしそうなら、星良ちゃんの目論見通りだ」
「やめて下さい」
心底 嫌そうな表情をしていると、夏油は肩を震わせて笑った。
* * *