第37章 ブリランテに照りつける太陽【壊玉】
「ブハハハハハッ! ナマコ! ナマコ‼︎」
「キモッ! キモなのじゃー‼︎」
五条は岩陰に隠れていたナマコを手に、意味もなく理子と大爆笑をしていた。
「星也ー! オマエ、なに日陰ですかしてんだよ!」
「お構いなく。僕はここで涼んでいるだけで楽しいので」
ンなわけあるか。小学生が海ではしゃがないで、何やんだよ。
「星也……」
「やっぱオマエ、星也のこと好きなの?」
物憂げな眼差しで星也を見る理子に、五条はこそっと耳打ちすると、彼女は湯気が出そうなほど一気に顔を赤くさせた。
「なっ⁉︎ なななっ⁉︎ 何を言っておるのじゃ! 星也は小学生で、妾よりいくつも年下じゃぞ⁉︎」
いや、その慌てようがもはや答えだろ。
黙って見ていると、理子は視線を彷徨わせ、ギュッと唇を引き結ぶ。
「星也には絶対に言わないで。私は明日の夜、天元さまと同化する。言ったって何にもならない」
古めかしい喋り方をやめ、理子は素でそう言った。
仮に告白して星也と想いが通じ合っても、その未来に彼女はいられない。振られれば苦い気持ちを抱えたまま同化に臨まなければならない。
どちらにしても、誰も幸せになれないのだ。
「それに……星也が一番 大事なのは星良でしょ。私の入る隙なんて、最初からない……」
「いや、アレは大事とか好きとか、そんな話じゃねぇだろ」
昨日 会ったばかりだが、少し見ていれば分かる。星也の星良に対する執着は……依存だ。