第37章 ブリランテに照りつける太陽【壊玉】
「飛行機で行くのはいいとして、空港を占拠されたらどうすんだよ。高専に帰れなくなるだろ」
「そうだな。灰原辺りにでも頼んでみるか」
「いいのか? 一年だぞ」
「これも愛の鞭だよ」
「はっ! 物は言いようだな」
呪術高専の一年――灰原 雄、そして七海 建人。七海は無愛想だが、灰原は明るく真っ直ぐで、夏油を慕っている。
夏油が頼めば飛んでくるだろう。ついでに七海も。
「一応、高専を通しておこう。【星漿体】や天元様の名前を出せば、すぐに向かわせてくれるはずだ」
さすが、夏油。抜け目がない。
これで、七海も『嫌』とは言えないな。
間もなく、高専から任務として受理した旨と同時に、灰原からも早朝に那覇空港へ向かうという内容のメールが届いたのだった。
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