第36章 リゾルートに揺るがぬ決意【壊玉】
五条は夏油、星也、星良、黒井と共に急いで校舎に入り、廊下を走っていた。
「天内は⁉︎」
「この時間は音楽なので、音楽室か礼拝堂ですね」
「レーハイドゥ⁉︎」
五条が尋ねると、廉直女学院はキリスト教系のミッション・スクールで、音楽の授業は担当教師の都合で変わるのだと黒井は答えた。
「悟は星也君と礼拝堂、黒井さんは星良ちゃんと音楽室、私は正体不明のアンノウン三人を」
「大丈夫ですか? 三人も請け負って」
「問題ない。今は理子ちゃんが最優先だ」
案じる星也に、夏油は自信に満ちた笑みを浮かべる。
五条も夏油の強さは充分 知っているため、特に異論はなかった。
「行きましょう、皆様。ご案内します」
「はい、お願いします」
「星也、遅れたら置いて行くからな!」
「黙って走れないんですか」
夏油と反対方向へ、五条たちは足を向ける。
「ったく! だから目の届く範囲で護衛させろって言ったのに、あのガキ!」
「申し訳ありません。移動のたびにメールをするよう言ったのですが……」
「楽しめてるってことでしょ。それでいいじゃないですか」
「フォローは僕たちの仕事です。文句は後にして下さい」
先を急ぐ途中で、五条は音楽室に向かう黒井たちと分かれた。
* * *