• テキストサイズ

夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第34章 皆と過ごすディヴェルティメントな日々


「はぁ……吉野、そっちの用事は終わったのか?」

「うん。まだ色々 試したいことはあるけど、今日のところは」

 答えながら【澱月】に礼を言って術式を解くと、伏黒は「そうか」と小さく呟いた。

「なら、虎杖に体術 見てもらえよ。式神使いは術式の特性上 狙われやすい。鍛えといた方がいいぞ」

「え⁉」

「おー、そういえば、五条先生にも言われたな。『式神使いはまず術者本人を狙え』って」

 虎杖、空気を読んでくれ。これは純粋に稽古を勧めているわけではない。ある種の嫌がらせだ。顔を見れば分かる。

 詞織は自分以外の男にべったりで、伏黒自身は虎杖にコテンパンにされたのだ。不機嫌MAXな顔をしている。

「強くなりたいんだもんな?」

「そうだけど、今日は……」

「もう逃げない、だったろ?」

「逃げてるわけじゃ……」

 いえ、逃げています。すみません。
 逃げ道を塞いでくる伏黒に順平は視線を彷徨わせた。

「ほら、虎杖くんも疲れてるだろうし……」

「俺は疲れてないぞ」

 だから! 空気を読めって!
 強くなりたいし、体術を学びたい気持ちもある!

 伏黒の言っていることが、ただの嫌がらせじゃないことも分かっている。

 だが、この流れでやるのは嫌だ。何か違う。
/ 857ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp