第34章 皆と過ごすディヴェルティメントな日々
「そうだ、真希さんも呼ぶか。呪具の使い方も知ってると、戦いの幅が広がる」
「あ、それいい。真希さん強いし、教え方も上手いし」
伏黒の提案に詞織が真希を呼びに行く。
何それ、地獄じゃん。
その後、真希も合流し、引くに引けなくなった順平はみっちりとしごかれた。特に真希から「弱すぎる。体力なさすぎ」と怒鳴られ、基礎体力作りのための運動を仕込まれた。
それからの日々は、真希と時間が合えば稽古。そこに虎杖や伏黒、詞織や釘崎たちも加わってきた。
いつしか、真希がいない日でも稽古は行われ、体術だけではなく、呪術にもつき合ってくれるようになった。
時折り五条もやって来て、コテンパンに叩きのめされる。
それでも、自分が強くなっている実感は確かにあって、皆が自分のために時間を割いてくれるのが申し訳ないのと同じくらいに嬉しい。
性格は違うのに、虎杖とは妙に馬が合った。
伏黒は怖いが、同じ式神使いとして気にかけてくれているのは分かる。
詞織には何度も【反転術式】で世話になっているし、頼めば嫌な顔をせずに特訓にもつき合ってくれる。
釘崎は強引だが、本当に嫌がることを強要してくることはない。
二年の真希の稽古はかなりしんどいが、こちらの限界をしっかり見極めてやってくれる。
狗巻やパンダもつき合ってくれて、休憩中にはよくからかわれるが、それも楽しい。
こんな気持ち、皆と会うまで知らなかった。
もっと強くなりたい。皆に追いつきたい。
稽古は辛くてキツいけれど、全て終われば充実していて……ベッドで眠る頃には、不思議と楽しい時間だったと思えた。