第33章 アモローソに募らせた再会【そういうこと】
女の子は太りやすいんだよ。
私は初めから太ってたけど。
私だって、私を選ばない人を選ぶ気なんてサラサラない。
虎杖君は私が知らない私を見てくれる。
虎杖君以外の男の子なんて嫌い。
でも――……。
――「今の私ならもしかして、なんて……」
私は……私が嫌いな人たちと同じ尺度で生きている……。
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きっと、彼は目に見えるモノだけを見ているのではない。
目に見えないモノも見て、認識している。
優子自身も気づかない自分を見つけてくれたように。
別人のように変わった自分に気づいてくれたように。
――「今の私ならもしかして、なんて……」
浅ましい自分が恥ずかしい。
こんな自分では、彼の隣に立てない。
駅まで虎杖たちが見送ってくれた。
「またな」と虎杖が手を振ってくれる。
その笑顔は、中学の頃に見てきたものと同じようにキラキラと輝いて、今の優子には眩しすぎた――……。
* * *