第33章 アモローソに募らせた再会【そういうこと】
「あの、ちなみに好きなタイプとか……」
「好きなタイプ? 背の高い子、じゃなかった?」
ビビッと通じ合った釘崎と優子は、飲んでいたジュースで乾杯した。
「勝算アリ! 確かにアイツ言ってたわ! 虎杖を召喚する! いいわね、優子‼」
「はいっ‼」
釘崎はすぐに順平に電話をした。
「吉野。手筈通り、お店の近くにいる?」
『手筈通り……? えっと、言われた通り、近いところにいるけど……』
「よし、すぐ来い!」
『え……』
『おーい、順平! どした?』
順平の声に被せるように、虎杖の声が聞こえる。優子がドキッと反応を示していたが、あえて指摘することはしなかった。
『釘崎さんが、ちょっと来てって……』
『ふーん。じゃ、行くか』
『決断早っ! 理由とか聞かないんだ……』
電話の向こうでごちゃごちゃ何か言っているが、おそらくこちらに向かっているだろうと判断し、釘崎はプツッと電話を切る。
それから間もなく、紙袋を抱えた虎杖がやってきて、きょとんと目を丸くした。
「あれ? 伏黒と詞織もいんじゃん」
「はやっ‼︎」
え、二〜三分も経ったか?
五分とか十分くらいはかかると思っていたのだが。
「虎杖くん、早……ちょっと待ってよ!」
後ろから順平も追いついてくる。
「ユージ、その紙袋なに?」
「UFOキャッチャーの景品。アームが甘くてめっちゃ取れた。なんかいる?」
「キャンデイ(わさび味)、チョコ(きゅうり味)、チップス(納豆味)……キワモノばっかだな。いらねぇ」
「ほら、言ったじゃん。食べるのに勇気いるって。どうするの、これ?」
「食えばいいじゃん」
詞織、虎杖、伏黒、順平がわいわい盛り上がる中で、釘崎はハッと思い至った。