第28章 アンショーソに掻き立てられる【起首雷同】
――そこから、さらに三時間後。
「こんなグロドロゾンビ映画の何が面白いの? もっと他にあるでしょ?」
先ほどの映画の第一弾を虎杖と観ていると、気がつけば釘崎も混ざってきていた。
「そうか? 結構 面白かったぞ。日本ゾンビ化計画」
「あ、虎杖くん、分かる? そうなんだよ。特に逆立ちで追いかけてくるゾンビが人気高くて、フィギュア化までされて、今じゃプレミアがついて、三十万もするんだよ!」
「三十万もすんの⁉︎」
「しょーもな! アレを三十万で買うとか、金をドブに捨てんのと変わんないじゃない」
「なぁ、伏黒も観る?」
「詞織の寝顔 見てる方が有意義だ」
「え……もう五時間も寝顔 見てるの?」
そうこうしているうちに、次第に空が白み始め、順平たちの瞼は重くなり始めた。
* * *