第26章 狂おしいほどのパッショナート
「ふふふっ! 来たわね、あたしの時代が! 全員 ひれ伏すがいいわ‼︎」
釘崎が王様のクジを高らかに見せつけてくる。
「野薔薇、早くして」
もったいつける釘崎を詞織が急かすと、彼女は不貞腐れたように「はいはい」と投げやりに返事をした。
「じゃ、一番は初恋の相手を言いなさい」
「コイツ」
一番のクジを見せ、伏黒は詞織を指さす。
「あははっ! また恵が当てられてるー!」
笑うな。こちらも不本意である。
「は、恥ずかしげもなく……なんか、伏黒くんってカッコいいね……」
「すげぇな、伏黒。勇者じゃん」
すでに恋人なのだ。
恥ずかしがる必要もなければ、隠す必要もないだろう。
「ちょっと、なんで伏黒なのよ! あぁ、もう、分かった! 三番! 三番の初恋相手は誰⁉︎」
また番号を変えて……ルールの意味がないではないか。発案者である五条も止める様子はないし。
「三番、わたしだ……初恋……うーん……」
「詞織の初恋相手だって、どうせ伏黒でしょ? もう……虎杖、吉野、アンタたちの番号……」
「兄さま、かな……?」
「「「え⁉︎」」」
全員の視線が詞織に集まる。