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夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第25章 アレグロに青空を駆け抜ける【呪術甲子園】


「ジュンペー、どう? 参考になった?」

「あ、うん。ありがとう、神ノ原さん。ただ……」

「ただ?」

 少女の背後に、伏黒が立つ。

「詞織、何でアイツに頼った?」

「何でって……話したと思うけど?」

「アイツに何した?」

「何? 間接キス?」

 この感じ、全然 悪気がない。
 けど、悪気がないのが、一番 悪い。

「ご、ごめん、伏黒くん。こんなはずじゃ……」

「吉野は黙ってろ」

 あ、はい。

 大人しく黙っていると、詞織が不安げな瞳でこちらを振り返る。

「え、ジュンペー。なんでメグ、怒ってるの? 分かる?」

「いや、それは……」

 怒るでしょ、普通。

 すると、伏黒はおもむろに詞織を抱きしめ、唇を奪った。

「わ、わっ⁉︎」

 思わず情けない声を出して順平は目元を覆うが、つい好奇心で指の隙間から覗いてしまう。

「メ、グ……ッ! ん、んぅ〜〜〜〜……っ⁉︎」

 長い。めちゃくちゃ長い。
 そして、めちゃくちゃ怒っている。

 長い口づけを終えると、詞織は酸欠からかぐったりと伏黒に倒れ込んだ。

「…………よし、許す」

 満足した、のか?
 眉間に皺が寄っているし、まだ不服そうだが、一旦 気持ちを落ち着けたというところだろうか。

 っていうか、自分が見ている前で何でこんなこと……いないところでやって欲しかった。

 あれ……伏黒がこちらを見ている。

 もしかして、牽制……なのか。
 牽制されている?
 詞織にちょっかい出すなよって言われている?

 こちらの性格を考えてくれ。
 間違ってもそんな度胸はないから!
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