第24章 パッションの爪痕【完遂~呪術甲子園】
「……っつーわけでさ。色々あったし、人も死んでるけど……どうする? 続ける? 交流会」
東京校と京都校の生徒、引率教師、学長が一堂に会する中で、五条が伏黒たち生徒に尋ねた。
すでに教師たちの間で今回の交流会で起きた出来事は話し合われている。
中止の意見も出ている……というか、『中止にしよう』という話になったはずだ。それを、『生徒が決めること』だと五条が止めたのだろう。
「どうするって言われてもなぁ……」
「当然、続けるに決まっているだろう」
うーん……と虎杖が首を捻っていると、東堂がキッパリと言い切った。
全員の視線が彼に集まる。
「その心は?」
意見を聞く五条に、東堂は人差し指を立てた。
「一つ、故人を偲ぶのは当人と縁のある者たちの特権だ。俺たちが立ち入る問題ではない。二つ、人死にが出たのならば尚更、俺たちに求められるのは強くなることだ」
後天的強さとは『結果』の積み重ね。敗北を噛み締め、勝利を味わう。
そうやって自分たちは成長する。『結果』は『結果』として在ることが一番重要。
そう、東堂は驚くほどまともな意見を口にする。
「東堂先輩って、意外としっかりしてるんですね」
「しっかりイカれてんのよ」
真依に耳打ちする三輪の台詞が聞こえたが、伏黒も同じようなことを考えていた。
「俺は構わないですよ」
中止になってくれれば、それだけ早く詞織と寮でイチャつけるが……伏黒としては、決定に従うだけだ。
続行なら続行で、さっさと終わらせればいい。
「わたしも。別にキョーミないし。どっちでもいい」
詞織のこの表情……本当に心底 興味なさそうである。