第24章 パッションの爪痕【完遂~呪術甲子園】
「けど、釘崎の言う通り、答えなんかない」
あとは、自分が納得できるかどうかだ。
我を通さずに納得なんてできるはずない。
弱い呪術師は、我を通すことなどできないのだから。
「俺も強くなる。すぐに追い越すぞ」
啖呵を切ると、虎杖は一度 目を丸くし、「ハハッ!」と口を開けて笑った。
「相変わらずだな、伏黒は」
「おい、あたし抜きで話進めてんじゃねぇよ」
「わたしも強くなる。詩音に頼らなくてもいいように」
「僕だってまだまだだけど、逃げないって決めたんだ」
「それでこそ、虎杖(ブラザー)の友だな」
うんうん、と最初からいたかのように、腕を組んで感慨深く頷く東堂。
瞬間――弾かれたように虎杖は窓から外へ出て逃げ出した。
「どこへ行く、虎杖(ブラザー)‼︎」
「感謝はしてる! でも、勘弁してくれ! あのときの俺は正気じゃなかった‼︎」
「何を言っている! 虎杖(ブラザー)は中学のときからあんな感じだ‼︎」
「俺はオマエと同じ中学じゃねぇ‼︎」
虎杖がキレ気味で返す。
「え……なんか、虎杖くん、想像以上に気に入られてるみたいだけど……」
「バカ同士で馬が合ったんでしょ」
「ユージのコミュ力って、ホント異常。引くくらい」
「詞織、ほっとけ。巻き込まれるぞ」
四人は虎杖を助けることなく、彼の分までピザを食べ切った。
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