• テキストサイズ

夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第24章 パッションの爪痕【完遂~呪術甲子園】


「どーせ勝つしね」

「それはまだ早いんじゃ……」

 釘崎の勝利宣言に、順平が苦笑いを浮かべた。

「屁理屈だが一理ある」

「加茂君は休んだら?」

 包帯で顔をぐるぐる巻きにした加茂に、桃が呆れたような表情をする。

「異議なーし」

「しゃけ」

 パンダと狗巻も、特に反対意見はなさそうだ。

「個人戦の組み合わせはくじ引きか?」

 真希の問いに、五条が「え?」と声を出す。

「今年は個人戦やんないよ」

 その言葉に、その場にいた全員が面食らった。

 交流会は、それぞれの学長が提案した勝負法を一日ずつ二日間かけて行なう。
 だが、それは建前で、初日が団体戦、二日目が個人戦って決まっている。

 そう、誰もが思っていたのだが、五条は「僕、ルーティンって嫌いなんだよね」と言って、虎杖に小箱を投げて寄越した。

「毎年この箱に勝負方法入れて、当日に開けんの」

 以前に楽巌寺を含め、京都校のメンバーが東京校に来たのも、当日に必要なものの確認だったらしい。

 虎杖が箱を開けて中に入った紙を取り出す。
 紙には、『野球』と書かれていた。

「や……」

「野球ぅ〜〜〜〜?」

 楽巌寺と夜蛾が虎杖の取り出した中身を見て、驚愕の声を出す。

「どういうことだ、夜蛾」

「いや、私は確かに個人戦と……待て、悟!」

 鼻歌をうたいながら、五条は軽快な足取りで部屋を出て行った。
/ 857ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp