第23章 滾る想いのコン・アニマ【黒閃~規格外】
「五条先生って……ホントに人間ですか?」
「あははっ! えぇ〜、何それ。ウケる〜〜っ!」
こっちは真剣に聞いているのだが。
順平はちらりと五条の背後の抉れて消し飛んだ光景を見る。
手加減してこのレベルのことをやるのだ。そりゃあ、誰かと一緒では全力で戦えない。
歌姫や楽巌寺を足手まといと言ったときはやばいヤツだと思ったが、これを見てしまったら納得だ。
「僕のことが怖くなった?」
「……うーん……敵だったら絶望しかないですけど、味方なら安心ですね」
「そりゃあ、よかった」
その声音には、確かに安堵した響きがあった。
「じゃ、皆と合流しよっか」
はい、と頷き、術式を解除して【澱月】を戻す。
五条レベルの呪術師になれれば、母の仇の呪詛師を見つけ、一瞬で殺せるのだろうが……とても現実的ではない。一生かかっても無理だ。
ひとまずは、星也のような、冷静沈着で常識を持ち合わせた呪術師を目指そう。
一人でうんうんと頷きながら、順平は五条の後ろを追いかけた。