• テキストサイズ

夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第23章 滾る想いのコン・アニマ【黒閃~規格外】


「クソッ!」

 もう少しなのに。

 どうしたら。

 どうしたら。

 どうしたら……っ!

「虎杖(マイフレンド)!」

 唐突に、パァンッと東堂が虎杖に加減もなく平手を食らわせる。

 すぅ…っと頭の中を渦巻いていた様々な感情が引いていった。

「“怒り”は術師にとって重要な起爆剤(トリガー)だ。相手を怒らせてしまったばかりに格下に後れを取ることもある」

 逆もまた然り。“怒り”で呪力を乱し、実力を発揮できず負けることも。

「友である伏黒たちを傷つけられ、そして何より、親友である俺との蜜月に水を差され、オマエが怒髪衝天に陥ってしまうのはよぉーく理解できる。だがその怒り、オマエには余る。今は収めろ」

 反対の頬に、再び平手が見舞われる。

 仲間割れかと呆然とする花御の視線を感じるも、気にならない。

 頭が澄み渡る。

「消えたか? 雑念は」

「あぁ、雲一つねぇ」


 ――Thank you so much 東堂(ベストフレンド)‼


 虎杖は大きく息を吸い込み、花御を見据えた。


 ――【黒閃】。


 打撃との誤差0.000001秒以内に呪力が衝突した際に生じる空間の歪み。

 威力は平均で通常の2.5乗。【黒閃】を狙って出せる術師は存在しない。

 だがしかし、【黒閃】を経験した者とそうでない者とでは、呪力の核心との距離に天と地ほどの差がある。

 微動だにせず、瞬き一つ、口元から涎が流れるのも気づかないほどの凄まじい集中力。

 ――打撃との誤差0.000001秒以内に呪力が衝突した瞬間、空間は歪み、呪力は黒く光る。


 ――バチィィッ‼︎


 虎杖の放った打撃によって生まれた衝撃波が、黒く光った。
/ 857ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp