第19章 それぞれの想いが奏でるカノン【京都姉妹校交流会―団体戦―】
七つのモニターには、森の中で戦う生徒たちが絶えず映し出されている。
そのモニターの一つでは、先ほどパンダがメカ丸に勝利していた。戦闘不能によりメカ丸は棄権(リタイア)。
ちなみに、その戦闘を観ている途中、順平は五発ほど顎に食らった。もしかしたら、鍛えられているのは顎の骨ばかりではないだろうか。
さらにモニターの向こうでは、伏黒と詞織、真希が京都校の加茂、垂水、三輪の三人と遭遇し、それぞれ戦闘の中で遠ざかっていく。
順平はつい見入ってしまい、呪力を流し忘れたり、興奮して呪力を流しすぎたりしては、抱えているクマ人形の呪骸であるジョシュアに殴られていた。もはや、交流会に参加しているメンバー並にボロボロである。
やがて、モニターの一つで真希が三輪と圧倒的な戦いを繰り広げ、鮮やかな手並みで彼女の刀を奪い取っていた。それを見ていた冥冥が「フフ」と小さく笑う。
「面白い子じゃないか。さっさと二級にでも上げてやればいいのに」
「僕もそう思ってるんだけどさぁ、禪院家が邪魔してるくさいんだよねぇ」
嘆息しながら続ける五条に、順平はジョシュアをムギュムギュと撫でた。
「あの、それってどういうことですか?」
気になって尋ねてみると、五条は少しだけ驚いた顔をして、なぜか嬉しそうに口角を上げる。