第17章 開幕のファンファーレ【反省】
「足止めとして東堂の前に"一人だけ"、パンダか恵を置いてくつもりだったが……悠仁、オマエに任せる。索敵できる奴 減らしたくねぇし」
索敵……確かに、それができる人間がいれば有利にゲームを進められるだろう。
伏黒も式神使いだと言っていた。
それを考えるに、索敵ができるような式神を持っているのだろう。
少し話してみたいな……交流会が終わったら、虎杖に間に入ってもらおう。
「悠仁。東堂に勝つ必要はない。できるだけ粘って時間を潰せ」
「でも、大胆にいけよ! ぶっちゃけ、オマエは予定外の戦力だから、リタイアしてもあんまり困らん」
「ひでぇ」
グっと親指を立てる真希。
同じようにパンダも指を立てるが、あまりの発言に虎杖も本音が出た。
「悪ィな、恵。オマエ、東堂と闘(ヤ)りたかったろ」
「いや、別にどっちでも……」
気遣う真希に伏黒が素っ気なく返した。
伏黒はかなり冷めた性格のようで、パンダが「スーパードライだな」と零す。
「間接的に詞織を貶されて腹は立っていますが、それ以外は何とも。垂水もまぁ気にはなっていますが、あのタイプの男に詞織が靡かないことは分かっているので、そこまで気にしてません。誰と当たっても問題ないです」
詞織の頭を撫でながら伏黒は言うが……あれ? これっていわゆるノロケか?
いいなぁ、彼女。
詞織も人形のように綺麗な顔立ちだし、伏黒もクールなイケメン。
まさにお似合いのカップルである。
そこへ、虎杖が「先輩」と呼びかけた。