第17章 開幕のファンファーレ【反省】
「そっか。じゃあ、明日に備えて早めに休んだ方がいいね」
伏黒をやんわりと押しのけてベッドを降りようとすると、クィッと後ろから引っ張られる。
振り返れば、伏黒が腕を掴んで引き止めていた。
「ここで寝ていけよ」
パチパチと目を丸くする詞織を、伏黒はどこか甘えたような目でベッドから見上げてくる。
そんな伏黒を可愛いと思ったが、言うと拗ねてしまうので、心の内に留めた。
ギュッと抱き着いた詞織を抱きとめて、二人はベッドに倒れ込む。
「おやすみ、メグ」
「おやすみ、詞織」
額をコツンと合わせた二人は、互いの温もりを感じながら微睡みの中に落ちていった。
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