第3章 はじまりのプレリュード【両面宿儺】
「イヤな予感、する。今も。この学校が一番強い。だから、メグが追いかけて。回収だけなら、メグ一人で大丈夫でしょ? わたしは……残る」
残って、学校にいる呪霊の数を減らす。
「けど……」
「平気。どうせザコばっかり。このままここに呪霊が溜まりすぎるのもよくないし、数が増えすぎるのも後々面倒。だったら、今 減らせるだけ減らしておく」
「そう、だな……」
イヤな予感。伝染してしまったのか、伏黒の胸にも波紋が広がる。
けれど、今、『虎杖を追いかけない』という選択をすることはできない。
詞織に『ついて来い』と言うこともできない。もともと、これは伏黒一人の任務だ。
それに、詞織は二級呪術師で、この学校と周辺にいるのも、最大で二級呪霊。
二級呪術師ならば、二級呪霊は問題なく祓える。
そこまで考えて、伏黒は決断を下す。
「分かった。無理するなよ」
「うん」
名残惜しさをその場に残し、伏黒は虎杖に感じた呪物の気配を追った。
* * *