第12章 再会までのインテルメッツォ【幼魚と逆罰】
「手順は伊地知さんに任せてあるから、二人で吉野 順平を調査してきてくれ」
「押忍」
伊地知と二人で、了解の意を示す敬礼をする。
彼とは、刑務所の一件から奇跡的な蘇生を遂げたとき以来だ。修行の間は会っていないから、一ヶ月ぶりの再会である。
「俺、伊地知さん以外の補助の人、知らねぇや」
「まぁ、虎杖君が生きてるって知ってるの私だけですから、必然的に……」
そういえばそうだな、と内心で納得しながら、虎杖は部屋を出る。
知っているのは五条を筆頭に、あの場にいた家入と伊地知、今回の件で星也を入れると、たったの四人だ。
まぁ、細かいことはいいか。
とにかく、こんなことをしている犯人をぶっ飛ばして、早くあんな残虐なことは止めさせなければ。
そこでふと振り返ると、伊地知がついて来ていないことに気づくと同時に、星也に言い忘れていたことを思い出した。
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