夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第11章 来たる日のためのエチュード【邁進〜底辺】
「どうでもいい話を広げるな。俺はただ、コイツらが乙骨の代わり足りうるのか、それが知りたい」
「東堂の聞きたいことは想像がつくけど。どうぞ」
垂水が促すと、東堂と呼ばれた筋肉質な男性が伏黒を呼んだ。
「伏黒……とか言ったか」
進み出た東堂に、伏黒は身構えた。東堂の名前も聞いたことがある。
垂水と同じく、【新宿・京都 百鬼夜行】の鎮圧に参加し、京都の夜行に現れた一級呪霊五体、特級呪霊一体を単独で祓った――その実力は垂水を凌ぐ。
「どんな女がタイプだ?」
何を仕掛けてくるのかと思っていたところへの唐突な質問に、伏黒は思わず「は?」と間の抜けた声を出してしまう。
詞織と釘崎もキョトンとし、二人の視線が伏黒と東堂を行き来した。
三人の視線の先で、真依と垂水がやれやれと肩を竦めている。
「返答次第では、今ココで半殺しにして、乙骨……最低でも三年は交流会に引っ張り出す」
そう言って、東堂は羽織っていた学ランを脱ぎ、ビリビリとTシャツを破って、足を大きく開き――構えた。
「ちなみに俺は、身長(タッパ)と尻(ケツ)がデカイ女がタイプです」
笑顔のつもりなのか。恐ろしい形相でこちらを見てくる東堂に、伏黒は呆れしか出てこない。
「なんで、初対面のアンタと女の趣味を話さないといけないんですか?」
「まぁまぁ。いいじゃん、減るもんじゃないし。つき合ってやってよ。ちなみにボクは東堂と逆で、小柄な子がタイプなんだ。性格は主張しすぎず、芯の通った子。そういうこの泣いた顔ってすごく可愛いからね。黒髪ロングだと尚良し。詞織ちゃんなんて、まさに理想!」
「会ったばかりで理想かどうかなんて……分かるわけないでしょ」
言いつつ、確かに垂水という青年の語る理想は詞織と近しいと感じていた。もちろん、譲る気などいっさいないが。