夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第3章 はじまりのプレリュード【両面宿儺】
特級呪霊と一級呪霊の群れの祓除。
星也は主力として、星良は非術師の保護と星也のサポートとして派遣された。
しかし、後から発覚したことだが、特級呪霊の一体は特級呪物【両面宿儺の指】を取り込んでいたらしい。
想定よりも被害は深刻で、双子が到着したときにはすでに呪霊の群れは村一つを混沌の海に落とし、かろうじて生きていた村人も虫の息だったそうだ。
そんな村人たちも、呪霊の群れを祓い終えたときには息絶えてしまっていた。
「もっと早く……もっと早く、僕たちが到着していたら……もっと早く、僕が呪霊を祓えていたら、もしかしたら……一人くらい、助けられたかもしれない……」
「星也」
ポンッと軽く、五条は星也の頭に触れた。
「背負いすぎ。それやってると、そのうち潰れるよ」
実際、星也たちが祓えなかったら、特級呪霊はさらに近隣の村を襲い、さらに多くの命を奪っていただろう。その多くの人々を救ったとすれば、充分 任務は達成できている。
助けられなかった命を悼む気持ちは大切だ。けれど、その命に固執しすぎては、助けられる命も助けられなくなる。
落ち込む星也と、そんな弟を励ます星良の様子に、五条は心の中でフッと笑った。
本当に、二人とも小さい頃から変わらないな。
特に、星也の優しさは術師としては致命的だ。それでも彼は、特級術師として最前線に立ち続けている。本当に、よくやっているよ。
「……僕も早く、五条先生くらい強くなりたいです」
「神ノ原一門の当主にそう言ってもらえるのは光栄だ。じゃあ今度、高専に帰ったら久々に見てあげようか?」
「お願いします」
少し芝居がかった台詞で茶化すと、星也はすかさず頭を下げた。そんな元教え子が可愛くて、五条はついつい笑ってしまう。