夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第3章 はじまりのプレリュード【両面宿儺】
「――星也、星良」
大きく手を上げて注意を引くと、瓜二つの容姿を持つ双子の姉弟――星良は笑みを浮かべ、星也は微かに眉を寄せながら――小さく頭を下げた。
「同じ新幹線だって聞いたから、伊地知に隣に席を取ってもらったんだ。まぁまぁ、座ってよ」
高身長に白髪、さらにアイマスクと特徴がてんこ盛りの男性――五条 悟は、向かい合わせの空席に座るよう促す。双子は少し顔を見合わせ、五条の正面に腰を下ろした。
「お久しぶりです、五条先生」
口を開いたのは、双子の姉の方。肩につく黒髪に夜色の勝気な瞳を瞬かせる。
「そうだね。今、帰りかい?」
「任務が終わって、また別の任務地に向かうところですよ。次は星也とは別のところです」
ふぅん、と相槌を打ち、彼は双子へそれぞれ視線を向けた。
「それにしても、特級と準一級をセットで派遣なんて、結構大きな案件だったんじゃない?」
「まぁ、そうですね」
眉を下げて笑う星良に、五条 悟は「あぁ」と全てを納得した。
「つまり、あまり上手くいかなかったんだ?」
「上手くいきましたよ。呪霊は全て祓った。上手く……上手くいった……」
そう言いながらも、星也は奥歯を噛み締め、震える拳をギュッと握る。
「星也……星也が悪いんじゃない。星也は充分尽くした。もう手遅れだったんだよ。あたしたちが到着したときには、もう……助けられる人はいなかった……」
己の無力さに胸を痛める弟の肩を、星良は抱いた。慰める声は優しかったが、その声もまた僅かに震えている。
話を聞くと、星良が言いにくそうにしながらも説明をしてくれた。