第58章 アジタートに昇華する【渋谷事変】
――【多重魂――「撥体」】‼
無数の異形の頭が東堂と虎杖に牙を剥いた。そのまま改造された異形は天井を打ち砕き、地上へと押し上げる。
入れ換え無意味の全方位範囲攻撃……コイツ、ギアが上がったのか。
『アゲてけよ、虎杖! 俺とオマエ! 最後の呪い合いだ‼』
「おいおい、俺は仲間外れかい⁉」
東堂は真人を掴み、引き倒す。そこへ すかさず虎杖が頭を蹴飛ばそうとするが、頭が消えた――いや、自切したのか!
頭の取れた身体の首から日本の目がアンテナのように生えて蠢く。腕を鞭のようにしならせて振り回した。
さらに後ろから、自切された頭が身体を生やし、ギョリギョリと不気味な音を立てて改造人間を混ぜ合わせる。
――拒絶反応の微弱な魂たちは混ざり合い、身体を成す。
『――【多重魂「幾魂異性体(きこんいせいたい)」】!』
改造人間――だが、今まで見てきたものとは雰囲気が違うようだ。
東堂はパンッ、パンッと手を鳴らし、自分や虎杖、頭と身体に分裂した真人や生み出された改造人間――その位置を入れ換えながら攻撃を続ける。
真人の頭と身体は単純な5:5の分裂ではない。自分と虎杖のしっかりと足止めできていたことから、力の配分は8:2。
そして、距離を取った上で術式を行使したことから、弱体化している2が本体だろう。虎杖に2の方の真人を潰させる。
改造人間の等級は三級から二級弱。手早く潰す!
一気に距離を詰めて攻撃を入れようとしたところへ、改造人間が腕を振り払うように殴ってきた。