第58章 アジタートに昇華する【渋谷事変】
――「そのレベルで満足していると、俺とオマエは親友ではなくなってしまう」
初めて会った交流会で、自分が虎杖に言った台詞――それが今、自分に返ってきている。
虎杖が【黒閃】を決め、この呪霊もすでに【黒閃】を決めているという。
今 置いていかれているのは自分だ。
強くなったな、虎杖(ブラザー)。
オマエはそれでいいのか――東堂 葵‼
再び虎杖を独りにする気か⁉ 東堂 葵‼
ストックしていた改造人間との位置換えに驚いている真人へ、東堂は足を振り上げた。
――【黒閃】‼
東堂の蹴りが決まり、黒い火花が勢いよく爆ぜる。
吹き飛ばされた真人だったが、その表情には余裕が見られた。
人間を改造するツギハギ顔の呪霊に関しては報告を受けている。確か、魂にまで作用させなければ攻撃は通らず、特級術師である神ノ原 星也の攻撃も効かなかったと。
――だが これにより、三者 それぞれが……120パーセントの潜在能力(ポテンシャル)を引き出すに至った‼
まず最初に動いたのは真人だった。「ぅぐ」と呻き声を上げ、口からストックされていた大量の改造人間を両手のひらに吐き出す。