第57章 導く想いのコン・センティメント【渋谷事変】
「あの、メカ丸先輩……」
与が振り返るも、視線はこちらを向かない。気まずいのだろう、ということは容易に想像できる。
「皆……心配しとりました」
「……そうか」
「三輪先輩は泣いてて……」
「……知ってる。さっきミニメカ丸を通して話した」
あと、自分は何を伝えたいのだろうか。話したいことはたくさんあるはずなのに、上手くまとまらない。
「……三輪たちは?」
「たぶん、こっちに向こうとると思いますよ。ジッとしとれんのは、メカ丸先輩も分かるでしょ」
そう話すと、彼は「そうだな」とやるせなさそうに小さくため息を吐いた。
「お待たせしました! 硝子さん、野薔薇ちゃんは⁉︎」
到着した神ノ原 星良が家入を呼ぶと、心臓マッサージを始めていた彼女は、手を止めることなく口を開く。
「すでに心停止している。一刻を争う状況だ」
「分かりました」
頷いた星良が筆を取り出し、心臓近くに筆で文字を書きつけた。
――【電撃】
バチバチと小さな稲妻が爆ぜる。おそらく、AEDのような電気ショックと同じ処置だろう。その間に家入は薬剤投与を始めた。
「硝子! 救急車が到着したぞ!」
間もなく駆け込んできて声を張り上げる夜蛾に、家入が「よし」と呟く。