第57章 導く想いのコン・センティメント【渋谷事変】
「処置が遅かったら、ここ(左顔面)の術式が全身に回って、跡形もなかっただろうな。かなり厳しい状態だが……手を尽くしてみよう。与、ちょっと来い」
家入に呼ばれ、与と呼ばれた顔に傷のある学生が姿を現した。東京校の生徒だろうか。そう思っていると、与と目が合う。
「新田……⁉︎」
「え? どこかで会いましたか?」
首を傾げると、与が「いや……」と気まずそうに視線を逸らした。
「与、オマエのメカ丸はまだ星良といるか? いるならすぐに呼び戻せ」
「メカ丸って……メカ丸先輩⁉︎ 無事なんは聞いてましたけど……」
メカ丸が呪詛師に情報を流していたこと。その呪詛師たちと戦い、瀕死の重傷を負ったところを、神ノ原 星良という術師に助けられたこと。
東京校で治療と聴取を受けること。新も話は一通り聞いていた。
「積もる話はあるだろうが、後にしてくれ。与」
「あ、あぁ。すぐに戻す」
与は目を閉じ、小さく口を動かす。おそらく、星良と話しているのだろう。
「救急車は呼んだ。釘崎は病院で治療だ。吉野、オマエの胸も塞いでやる。後、もっと毒の使い方を学べ。一歩間違えれば自分も味方も死ぬぞ。自分の術式の恐ろしさを理解しろ」
「……すみま、せん……」
がっくりと順平が項垂れる。なんか可哀想になってきたな。