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夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第57章 導く想いのコン・センティメント【渋谷事変】


「虎杖くん、伏黒くん、詞織ちゃん、釘崎さん、五条先生、二年の先輩たち……皆 色んなものを背負って戦ってる。だから 強いんだ」

 背後を取られた順平に鎌の尖った切先が迫り、鋭利な刃が肩から斜めに振り下ろされた。

 新は「吉野さん!」と呼びかけるも、彼は動じることなくその刃先を肩で受け止め、逃げられないように血に濡れた手で固定する。


「【澱月】」


 左手で呪霊の鎌を固定し、右手で掌印が結ばれた。

 言葉なき命令に【澱月】が順平の背後で揺らめき、順平に刃を下ろした昆虫型呪霊へ触手の棘を刺す。すると、順平の血に触れている鎌から腕にかけて、ブワッと赤黒い花が刻まれた。

 痛みが走ったのか、奇声を上げて昆虫型呪霊が悶絶する。

「皆の強さが僕のことも強くしてくれた。だから――……僕は確かに、三級のひ弱な新米術師だけど、オマエたちに負けるかもしれないなんて微塵も思ってない」

 昆虫型呪霊の様子に毛むくじゃら呪霊が警戒するように順平を見ていた。ある程度の知能を有しているのか。

 けれど、順平は容赦なく距離を詰め、その身体の中心に警棒型の呪具を投げて突き刺す。


「【拡張術式――澱月 五式『雷(らい)』】


 再び掌印が結ばれ、【澱月】の身体が発光したかと思うと、警棒型の呪具を起点に電撃が奔った。全身を電撃に焼かれ、毛むくじゃら呪霊が呪力を散らして消滅する。

 その背後で、昆虫型呪霊が震えながら立ち上がり、鎌を振り上げた。


「引っ込んでろよ――オマエたちの相手をしてる暇なんてないんだ」


 順平に鎌が触れることなく、ジュワッと溶けるように昆虫型呪霊も消滅する。その様を、新は信じられない気持ちで見ていた。
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